ジャズ入門講座・伴奏編

ジャズ入門講座・伴奏編の第3回目です。

ではまず、前回までのおさらいをいましょう。
第1回目の講座での重要なポイントは、ラインを設定するときには、その小節の1拍目だけがその小節のコードに支配され、残りの2〜4の3拍は、次の小節のコードにスムーズに進行するためのアプローチノートと考えるということでしたね。
そして第2回目の講座では、必要以上にコードのタイプに囚われる必要は無い、例えばCがルートのコードからFがルートのコードに進行する場合、コードタイプがCMaj7、Cm7、C7、C7sus4のどれであろうが、結局はほぼ同じようなラインになるということでした。

こんなことを考えていくと、ライン設定に於いて最も重要なことは、ルートからルートへと、2〜4拍目の3つの音を使って、いかにスムーズにラインの流れを作るかということだといえます。もちろんその場合に、その2〜4拍目の音で、そのコードのコードサウンドも同時にしっかり出せるのであれば、それは一番いいラインと言えます。

さてでは第3回目の講座では、Ⅰ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴという、最も定番と言える循環コードを使って、色々なラインを考察してみましょう。
キーをCにしますので、具体的には
C-Am7(あるいはA7)-Dm7(あるいはD7)-G7
となります。
3、4小節目のDm7、G7、そして再び最初のCに戻るという流れは、ツーファイブ・ワンという、ジャズのコード進行においては定番中の定番のコード進行です。どの進行も「4度下降もしくは5度上行」という、ジャズの曲では最もよく現れるコード進行ですし、前回の講座でも、この進行の例は幾つもあげましたね。
ということで、今回のコード進行の中では、最初に現れる、CからAm7もしくはA7に進行する部分のみが、短3度下降になりますので、初心者の方がちょっと手こずる進行かと思います。
そんなことを踏まえて、では具体例を挙げながら、いくつかのラインについて解説していきたいと思います。
(譜面及び解説はサロンにて公開しています)

譜例1)ダブルクロマティックアプローチ
譜例2)ターゲットノート(すなわち次の小節の最初の音)に対して、上下全音あるいは半音でのアプローチで、挟み込む
その場合に、次の8つのパターンが考えられます。
1) 全音下→全音上→ターゲットノート
2) 全音下→半音上→ターゲットノート
3) 半音下→半音上→ターゲットノート
4) 半音下→全音上→ターゲットノート
5) 全音上→全音下→ターゲットノート
6) 全音上→半音下→ターゲットノート
7) 半音上→半音下→ターゲットノート
😎 半音上→全音下→ターゲットノート
譜例3)アルペジオを使ったライン
譜例4)1拍目のルートの音を弾かないライン

如何でしょうか? こんな単純のコード進行でも、こうやって考えると、本当に多様なアイデアからラインを作ることが出来ることがおわかりでしょうか?
ということで今回の講座のポイントはズバリ、「ジャズは、ソロもラインもクロマティックアプローチが要! ターゲットノートを、あらゆる手段で挟み込め!」
です。

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