The Girl From Ipanema ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)

DL20021904

The Girl From Ipanema ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)

商品番号:DL20021904
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ジャズライフ掲載時の解説
夏といえばボサノヴァ、ボサノヴァといえばジョビン、ジョビンといえばこの曲、ではないでしょうか?
そんな連相ゲームのような繋がりが成り立つほど、

この曲もよくセッションで演奏される曲かと思います。

しかしながら、この曲独特のゆったりとしたムードと
は裏腹に、演奏は決して簡単ではないと思います。ではどういったあたりが難しいのか?
そんなあたりを切り口に、解説に進みましょう。

まずはその独特の曲のフォーム。特に長いさびですね。

この曲のフォームはA-A-B-Aという、スタンダード曲では非常によく見受けられるものですが、各小節のサイズが8-8-16-8というもの。

この長いBセクションがなかなかくせ者です。またそのBセクションのコード進行も、特にソロを取る上では、なかなか厄介なものだと言えるでしょう。

ではそのコード進行を見てみましょう。Bセクションに入ってすぐに、Aセクションの半音上のGbメジャーに転調します。
おそらくこのGbメジャーというキーを考えただけでも、初心者の方に

は「あ、無理無理!」って思ってしまう人もいるかもしれませんね。さびの3小節目はそのGbメジャーキーにおける?7にあたるB7。
本来ならBMaj7になるところですが、それがブルージーに変化したコードです。

さらに5小節目はF#マイナーに転調。7小節目のD7はF#マイナーキーにおけるb?7ですから、
本来はマイナーキーにおけるサブ・ドミナントであるDMaj7が、これもブルージーに変化したコードですが、

同時に、次のキーであり、そのトニックであるGmに向けてのセカンダリー・ドミナントでもあるわけです。

同じような
コード進行が、9小節目のGmからの部分でも起こっていて、11小節目のEb7は、本来、サブ・ドミナントにあたるEbMaj7がブルージーに変化したコードです。そして13小節目からは、Aセクションのトニック・Fに向けての、?m7-?7-?m7-?7という、おなじみの
コード進行となります。このように、次々に転調していっているこのさびのコード進行の中で、流れが有り且つ脈絡のあるソロを構築するのはなかなか難しいといっていいでしょう。その対策として有効な方法のひとつに、モチーフ・デベロップメントという考え方があります。

僕は20、21、23、25小節あたりで同じようなリズミックなアイデアでフレーズを作ってみました。リズムそのものをモチーフとしたわけです。こうすることによって、次々の現れる転調に対しても、フレーズ同士に関連性が生まれ、ソロとしての脈絡が生まれやすくなります。
この曲を厄介にしているもう一点は、Aセクションに頻繁に出てくるGb7というコードでしょう。

このコードがこの曲のカラーを作っているといっていいのですが、

ソロにおいては、
前後のコードの中で流れのあるフレーズを作りにくいコードだとも言えます。

しかも何度も現れますからね。それとリズムに関して一言。この曲に限りま
せんが、ボサノヴァというリズムはその基本ベースパターンはシンプルなものですが、そのシンプルなパターンでしっかりグルーブさせるのは、実はそれほど簡単ではありません。
これを言葉で説明するのはほとんど無理なので、とにかくいいグルーブを感じることのできる演奏をたくさん聴くことかと思います。

推奨音源
Sings Jobin/Eliane Ellas

このアルバムは、ジョビンの曲ばかりを取り上げた作品です。
各曲のアレンジがとても斬新なのですがそれでいてボサノヴァのゆったりしたムードがしっかり出ている。
そしてなによりもイリアーノの声がボサノヴァの雰囲気にぴったりとはまっています。
ボサノヴァのグルーブや雰囲気を味わうにも、最適な一枚かと思います。

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