こんな曲をコピーした。Come on, come over
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「こんな曲をコピーした」のジャコ特集、第3回は「Come on, come over」を取り上げたいと思います。
音源は

この曲の基本データです:
作詞も作曲も、ジャコと、Bob Herzog(なんと読むのか定かでないので、英語表記にしておきます)という人の共作となっています。
ジャコが作詞にもかかわっていたというのは、ちょっとびっくり。
そこで歌詞を見てみましたが、それほど複雑な事は唄っていないようです。

まあ、この手のグルーブミュージックなので、確かに複雑な内容の歌詞になることはないと思いますが、いずれにして、その内容は「音楽を聞けば、ブルーな気分も無くなって、ハッピーなフィーリングになるぜ!」ってな所でしょうか。(あまりに大雑把?)

とにかく聞き所は、やはりジャコのグルーブ!
特筆すべきは、さびのD7のセクションに進行してからの、あのジャコの独特の16分音符から生まれるグルーブ感でしょう。
この曲は、YouTubeなどでも、結構多くの人がジャコの音源に合わせて演奏している映像がアップされています。
僕も、今回の採譜に当たって、それらのいくつかを見てみました。

そこで発見したのは、演奏者によって、かなりポジショニングが違うということ。
もちろん、採譜そのものの間違い(といっても、本来のジャコの演奏内容とは違うだけで、演奏されているそれぞれのフレーズは、どれもかっこいいものです!)も結構見受けられます。

実際、僕自身の採譜が完璧だとは思いませんが、可能な限り、何度も聞き込んで本当に細かなところまで聞き取ったと思っています。
そこで判ったことは、僕が思っていたほど、ジャコは細かくは弾いていないということでした。
これは、他のベーシストの採譜の時も良くあることなのですが、僕たちは、そのベーシストが実際に弾いているよりも、かなり多くの音を、そのベーシストが弾いていると思い込んでいる場合が多いようです。

実はその音は、ベースドラムの音であったり、ギターの低音弦であったり、ピアノやキーボードの左手での音であったりすることが、こうやって改めていろんな音源を採譜していると、よくわかります。
幸い昨今は、パソコンを使うことによって、本当に短い長さでも、同じ部分を何度でも再生することが出来ます。そうやって聞き込むと、「あれ、これ、ベースの音じゃない!」というような発見が、少なからずあります。

そういう音を一体として聞き覚えているのですが、ベースを弾く段になると、そのイメージを元に、覚え込んでいる全体のサウンドからベースのフレーズを導き出している場合も多いようです。

ということで、このD7の部分のフレーズも、思いのほか、細かくは演奏していなかったようです。でも、それをコピーしたベーシスト達の映像を見ると、実際ジャコが弾いているより、さらに細かな音を入れ込んでいます。
もちろんそれはそれで、さらにジャコのフレーズを発展させているわけですから、良いことといってもいいのですが、もしそうすることによって、フレーズそのものがしっかり弾ききれていない、そしてそれによってグルーブ感がそこなわれているようでは本末転倒といわざるを得ません。
さらにいえば、ジャコのようなグルーブ感が出ないのなら、まずは多少音数を減らして、よりシンプルにしてから、ということが大事です。
そんなことで、僕の採譜した譜面をみながら、皆さんももう一度実際の音源を聞いてもらえるといいかと思います。
もう一点大事なことは、そのポジショニングです。

僕は本来、TAB譜を使うことには反対です。
それは、今回のように、練習のために、コピーしたようなある決まったフレーズを弾こうとするベーシストにとっては、そのポジショニングから考えるというアプローチがとても大事だからです。もちろん読譜の練習にもなります。
アマチュアのベーシストで、読譜はさっぱりという人が、そのことでベースの練習が嫌になるというようなことを避けるためなら、百歩譲ってTAB譜も仕方なしということで、ジャズライフに連載していた僕の講座や、ベースマガジン誌での「Donna Lee」の採譜などでも、TAB譜を載せました。でも本当は嫌だったんですよね。

もし本気でベースがうまくなりたいという人にとっては、TAB譜は「百害あって一利なし」といえますので、絶対に使わないでください。
話はちょっと逸れましたが、今回は特別に、そのポジショニングを、その違いがわかりやすくなるように、TAB譜で解説したいと思います。

フレーズ1)
Aセクションの、C7の時のフレーズですが、その後半部分では、ベーシストによって譜例2のようなポジショニングで演奏しています。
僕は譜例1の方が良いのではないかと思っています。
というのは、こういった16分音符が連続するフレーズの場合、可能な限り同じ弦で弾いた方が、その音の質感や粒立ちが揃うと考えるからです。
ただどちらが正解かは、ジャコの演奏からは判断しかねますが、だったら僕は自分の好きなポジショニングで弾こうと考えています。
「Donna Lee」などでも、もう何通りものポジショニングが考えられます。

が、そのどれが正解かは、最終的にはそれぞれのベーシスト本人が決めれば良いことだと思います。
だってジャコの手と僕の手では、その大きさは象と猫ほど違います。そんな状況で、「ジャコのポジショニングこそが正解だ!」と言われても、少なくとも僕にとっては承服しかねるとこです。
ですので、自分のイメージや演奏能力、身体能力にあったポジショニングを考えるということが、先にも行ったとおり、実に重要になってくるということかと思います。

ということで、皆さんも、この譜例1と2のどちらが自分に合っているか、いろいろ考えてみてください。
一音だけの違いですが、実際弾いてみると、かなりサウンドが違うことも判りますし、さらには左手の感触もかなり変わることが判ると思います。
(おそらくですが、ジャコは譜例2でしょう)

フレーズ2)
こちらの方が、さらにフレーズの弾き心地に与える影響は大かと思います。
僕自身、どのポジショニングが一番良いのか迷うところです。すなわち、「あちらを取れば、こちらが立たず」というような状況になるからです。
まず、このフレーズをD7以外でも応用しようと思うなら、譜例3のポジショニングとなるでしょう。このポジショニングなら、D7以外のキーでこのフレーズを弾こうと思っても、平行移動させれば良いだけです。

ただ、D7で限定するなら、少なくとも譜例4のように、Dの音を一度だけ開放弦を使うと、それだけでかなり楽になります。
もちろん、フレーズの最初に出てくる、もう一つのDの音も解放にしても良いでしょう。
ですがこれで慣れると、D以外のキーでは、全く違うことになってしまいます。
で、ジャコをよく聞いても、やはりどちらでやっているのかは判断がつきかねます。
(おそらくですが、ジャコは譜例3かと思います)

というように、ポジショニングというのはとても、グルーブを出したり、フレーズのニュアンスを考える上で、とても大事な要素かと思いますので、そんなことも考えながら、是非この曲にもトライしてみてもらえればと思います。

でもバッチリはまると、音源と一緒に演奏しているだけでも楽しくなりますよね!

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!