僕の新作「CODA」のトレーラー動画、第5回目は、同録ビッグバンドでの「三つの視座」という曲です。

この曲は、マイルス・デイビスの「ブルーイングリーン」という曲(一説にはビル・エバンスが、元々のこの曲のアイデアをマイルスに提供したと言われていますが)のコード進行を使っています。
たった10小節からなる、でもとても美しいバラード曲ですが、それを「バラード」「2倍速のファンク」「4倍速のスイング」というように、同じコード進行上ではあるものの、後ろに流れるリズムを変化てみました。
同じコード進行ですが、それが三種類の異なったリズムの上で展開されると、全く違ったもののように聞こえるというアレンジです。

タイトルの「視座」という言葉に沿って言えば、音楽の拠り所となるリズム(=視座)を代えると、同じコード進行(=物事)がかなり違ったものに見えたり聞こえたりするということです。「依って立つ位置=視座」とは、ここではリズムと考えたわけです。

曲の最後は、突然のカットアウト(音が突然消える、これに対して徐々に小さくなっていくのを、フェードアウトといいます)にしたのは、ビートルズのアルバム、「アビーロード」のA面の最後を意識しました。

そして、最後にある、ホーンセクションが全員で好き勝手に吹くというアイデアも、実はジャコのセカンドアルバムに収録されている「Crisis」を意識し、僕なりに、いま現実に我々が直面している危機を表現出来ればと思ってやってみました。
その意味では、この曲は、尊敬してやまないジャコ・パストリアスへの、僕からのオマージュです。

参加メンバー:
Sax ; 近藤和彦、真野峻磨、小池修、黒川和希、鈴木圭
Tp ; 西村浩二、奥村晶、具志堅創、岡崎好朗
Tb : 村田陽一、鹿討奏、大浦時生、笹栗良太
P : 青柳誠、小野塚晃
Dr;大坂昌彦
Per:岡部洋一

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!