22・23日の両日、山野ビッグバンドコンテストの審査員をしてきました。今年で多分審査員を担当するようになってから、確か6回目でしょうか? 今年も国立音大の3連覇という結果になりました。
ということで審査を終えての感想を書いておきます。
毎年、そして年を重ねるごとに思うのですが、とにかくどこの大学も本当にうまくなってきている、というのが率直な感想です。しかもトップ5当たりの上位校と、表彰圏内のその下5校、さらにシ-ドされるその下10校当たりのレベルの差がどんどん縮まってきているような気がします。もう数年後には、大きな下克上が起こるのではないか、まさに大学ビッグバンド界の戦国時代の到来を感じさせるような状況になってきていると思います。
ことしは、昨年トップ3にいた早稲田ハイソや同志社サードハードが順位を落とし、その代わりに明治が2位、立教が久しぶりに3位内に入ってくるという結果でした。昨年17位や19位だった天理や甲南がトップ10入りしたもの、そういう時代の前触れかと思います。
審査員としては本当に楽しみでもあるのですが、審査の難しさを、ますますもって痛感するような状況にもなってきています。大体音楽に優劣・順番を付けること自体に無理がありますよね? しかも、共通の課題曲でもあればいいのですが、バンドごとに演奏曲が、その傾向も時代背景も編成も異なっているわけですから、そのどっちが上か下かなんて、ほんと、自分でもよく分からなくなってきます。
ここ数年の傾向としては、コンテンポラリーな曲で、さらにそれをオリジナルなアレンジで挑戦する学校が上位に来る傾向がありました。国立・早稲田・同志社などはそうですね。ただそういったアプローチも、ちょっと出尽くした感があるのかなという印象を受けたのが今大会でした。その証拠に、かなりスインギーでオーソドックスなアレンジで挑んできた天理や甲南が上位に入ったのがそのいい例かと思います。
まあ、審査委員がこういったことをあまり詳しく書くと、問題もあろうかと思いますので、これくらいにしておきますが、とにかくビッグバンドがこうやって盛り上がるのは本当にいいことだと思います。ジャズの裾野の拡がりを、手放しで喜びたいと思います。このコンテストに参加した学生達が、このあと社会に出てもビッグバンド、そしてジャズに、遠くてもいいですから、関係を持ち続けて、さらに彼・彼女たちの子どもにジャズの良さ、楽器のおもしろさを伝えていってくれればと思います。
ということでこのコンテストの参加した学生の皆さん(もちろん予選落ちした学校の方々も)、そして山野のスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。来年もさらに熱い戦いが繰り広げられることを期待しつつ、僕も学生達に負けないように、切磋琢磨したいと思っています。

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!