「ジャズとポップス」、レスが多くて驚きました! 気になる話題だったのでしょうかね? 

ということで今回の話題は「ジャズのセッション」。
昨日、新宿にある「Someday」というお店での、ジャムセッションのホストをやって来ました。
といっても、一般の方や、楽器奏者でも、特にジャズの演奏をされない方には、「ホストをやった」といっても、「それ、なに?」って感じでしょうね。
セッションのホストというのは、その人が中心になって、セッションの流れを仕切る役のことをいいます。
具体的には、セッションをしに来た多くのミュージシャンの中から、誰と誰を組み合わせて、どんな曲を演奏させるかというようなことを決めていくことです。
といっても、このSomedayでのセッションの場合は、ミュージシャンの組み合わせは、お店のマスターがやってくれますし、セッションの演奏曲目はミュージシャン同士で決めてもらいます。ですので僕は、ミュージシャン同士で決まった曲をもっぱら弾くのみ。単に一ベーシストですね。ではなんで僕が呼ばれているかというと、やはりジャズのベースを、とくにアコースティック・ベースで、ちゃんと演奏できる人の割合が、他の楽器に比べて圧倒的に少ないからみたいです。確かに世の中を見渡しても、ギターやピアノ、それにドラムスをやる人は多いですが、ベース、とくにアコースティック・ベースを演奏する人は、やはり少ないですよね。しかも曲を一杯知っていて、ちゃんとウォーキングベースラインが弾けて、しかも全体をしっかりリードしていけるだけのビ-ト感がある人となるが、数もかなり少ないでしょうし、しかもそういう人がわざわざお金を払ってセッションしに来るかというと、これは大いに疑問ですね。
ところが逆に、プロで、そのあたりのことがちゃんとしたジャズ・ベーシストが一人いると、これは話は180度変わってきます。どんなやばい楽器奏者が来ても、そのベーシストさえちゃんとしていれば、そこそこジャズは形になってしまいます。そういう意味でも、ベースって大事なんだなぁっておもいます。

幸い昨日は、来ていただいたミュージシャン全てが、かなりのレベルにあって、うち数人の方はほとんどプロといえるような人、演奏そのものは楽でした。ただセッションに参加してくれたミュージシャンがたった5人で、さらにベーシストはゼロ。これはなかなかしんどいものでした。結局僕一人がずっと弾いていたわけですからね。
十年ほど前も、よくこのSomedayでのセッションのホストをやっていたのですが、その頃は30~40人ほどのミュージシャンが、しかも深夜零時からのスタートにもかかわらず、集まってくれたのに、今はこの状況。どうしたのでしょうね? ジャズをやりたい人が減ったのか、僕に圧倒的に人気がないのか、お店のなにかに問題があるのか? マスター曰く、「あの頃よりもセッションをやる店が増えたからなぁ~」ってことでした。

ジャズの場合、セッションをたくさん経験することって、うまくなる最も大事な事のひとつです。生徒にも、「セッション行ってる? 暇さえあればセッションしろよ!」って、口を酸っぱくしていってます。ただ、お店で開催されるセッションに参加するにはお金がかかりますし、しかも集まった人があまりに多いと、結局何時間もいて、ほんの1~2曲しか演奏できなかった、なんてこともあるでしょうから、そんなことがあると足も遠のいてしまいます。難しいところですね。

僕自身のことでいえば、セッションは確かにしんどいです。そりゃ、プロのうまいミュージシャンと切磋琢磨しながら尖った演奏をしている方がずっと楽しいし刺激的です。ではなぜセッションのホストなんかやるのかって? それは色んなものへの恩返しといえます。僕がなんにも弾けなかったときに、セッションに付き合ってくれた先輩やプロのミュージシャンの方々、バークリー時代に、本当に大事なことを教えてくれた先生達、そう人達のおかげで今の僕があるわけです。そういった人達、あるいはそういったジャズの歴史に対して、自分の何かしなければならないと思うからです。僕も若い人達のために、よりよい経験の糧となりたいと思いますし、そうやってジャズや楽器の演奏の裾野を広げることによって、ジャズも盛んになりますし、そうなればまた逆にトップミュージシャンの質も上がってくると思うからです。

ということで、皆さん、是非セッションの遊びに来てくださいね、ただ聴くだけでもおもしろいですよ。「うまいってどういうこと? いいってどういうこと?」というようなことが、また逆の方向から考察することができます。まあ、お金払ってまで、いまいちの演奏を聴きにいくほど暇じゃないですか? 
でも明日を目指すミュージシャンの方々は是非、セッションとあれば、東西問わず是非参加してみてください。僕自身、あちこちでセッションのホストをやっていくつもりですので、そんな情報を見かけたら是非弾きにきてください。

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!