ドラマー川口千里

サロン恒例の「ズバリ聞きます。あなたにとって理想のベースとは?」のコーナー、今回のゲストはドラマーの川口千里さんです。
彼女はまだ大学を卒業したて(ということで、年齢は大体推測できるかと思います)の本当に若手ですが、その活躍ぶりはもうベテランの状況。
でもこうやってお話を聞くと、その経験値の豊富さもわかります。
海外のミュージシャンとコラボする機会もたくさんお持ちで、そんな経験からも、示唆に富んだお話を聞くことが出来ました。
音楽とは、特にジャズやロックというのは、もちろん経験値も大事ですが、それと同じくらい勢いというのが大事なんだろうと思います。
僕は今年還暦、千里さんが生まれた頃はもとより、ひょっとしたらお父さんが子供の頃からベースを弾いていたなんてことになるかもしれません。(しかし写真を見ると、その年齢差に愕然とします!)
でもそんな世代を超えて、こうやって一緒に楽しく音楽を奏でることが出来、しかもそんな若者から刺激やエネルギーをもらうことが出来るって、本当に素敵なことだと思います。
今回も、演奏はもちろん、このインタビューからもいろいろ気づかせていただきました。
ということで皆さんも是非、この若者の素晴らしいアドバイスを参考にしてみてください。
年齢は、無駄に重ねてはいけませんね。そしていつも謙虚であらなければ!
(全文はサロンにて公開しています)

納(以下O):今回のゲストは、若手ドラマーとして大活躍中の、川口千里さんです。
ということで、このインタビューで特にお伺いしたいことをご説明しておきますと、ベーシスト以外の人から見た「ベーシストに求めるもの」とか、「理想のベーシスト像」すなわち「ベーシストにはいつもこんなことを求めている」といったこと、逆に言えば「こういったことはちょっと困るよね!」といったようなことですね。
千里さんなんかは、まだ若いのに、もう相当なキャリアを積んでおられると思いますので。
川口(以下K):いえいえいえいえ!
O:日本人はもとより、海外のベーシストなんかともたくさん演奏されてきたと思うのですけど。ということで、ベースに求めることというものを率直にいってもらえると、どんなことがありますか?
K:そうですね、私は一応、オールジャンルで頑張れたらなということを目標でやっているので、
ロック系のベーシストもいれば、ジャズ系のベーシスト、納さんを筆頭に素晴らしい方々ですね。
O:ありがとうございます!
K:そういった方々といろいろやらせてもらっています。
で、やはり、ジャンルによって欲しいタイミングもあるんですけれども、それはひとまず置いておいて、私の中で、一緒にやっていて一番気持ちいいというか、やっていて楽しいベーシストというのは、迷いがない人が好きなんですよ。

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O:いや、でも本当にいろんなジャンルのベーシストと一緒に演奏していらっしゃると思うんですけれども、さっきちょっとおっしゃられた、ロック、ジャズ、あるいはフュージョン等、いろんなジャンルの音楽をやってらっしゃるじゃないですか、そのそれぞれになにか、ベーシストのあり方って違う感じがしますか?
K:そうですね、ロックだと、私もやっぱり、しっかりと土台を作ったビートをやりたいので、あんまりチョロチョロされると好きじゃないですね。
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O:例えばドラマー側から見てロックを演奏するときのドラムスとベースの関係と、ジャズあるいはフュージョンを演奏するときのその関係性の変化みたいなことはありますか?
K:う〜ん、でもジャズを勉強し始めて、最初びっくりしたことは、例えばベーシストがソロをとる時とかに、私、ずっとハードロックばっかりやってきたので。
O:ハハハハハ!
K:そこから急にジャズに入った身なので、その、四角の枠の中にいないベースを弾くというのが、私の中では凄い衝撃だったんですよ。
O:ほぉ〜〜〜、四角というと?
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O:今までのキャリアの中で、「こういったベーシストには凄くハっとさせれらた、いいと思った」とかありますか?
「このベーシストのああいったところは素晴らしかった」とかありますか? もちろん、名前を出さなくてもいいですが。
K:なんか全部、ソロでも、8ビートや16ビート、スイングなどのグルーブでも気持ちよかったのは、そう、バランスが良いって思ったのは、リック・フィエラブラッチ(Ric Fierabracci)さんですね。
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あと、一緒にやって楽しかったのは、アルマンド・サバルレッコ(Armand Sabal-Lecco)という、カメルーン出身のベーシストの方ですね。ぱっと見は「ほんとに弾いてるのか?」みたいな、すごい、「ハチャメチャやってるんじゃないか?」みたいな、見た目はそんな弾き方なんですよ。でも四角な、ソリッドな感じのベースソロはほとんどないんですけれども、でも、なんでしょうねぇ、あの16分の揺れる感じっていうのが凄く独特で、そのグルーブを体感するのが凄く楽しかったっていう意味では、アルマンドさんが一番新鮮でしたね。
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O:じゃあ逆に、これはもちろんお名前を出してもらう必要は全然ないんですが、こういうベーシストは、一緒にやると「やりにくいなぁ」というようなはありますか。
K:あの〜、個人的に思うのは、まあ、いろんな奏法があると思うんですが、それの、その聴感上のバランスが悪いとちょっとやりづらいってのがありますね。
例えばスラップがやけにでかいとか、ある特定の音色を出すと、急にこうバランスが「グッ!」って変わるとか。
同じ曲の中であるパーツに入ると突然、「ドッ!」ってベースのが抜けてきて、こちらが「ハッ!」ってしちゃうというような。
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O:あと、そのノリというような部分、あるいはコンビネーションといった部分ではなんかありますか? 「こういったことはもっと気をつけてほしい」とか「こういったことはいつも大事にしてほしい」というようなことですね。
K:昨日もちょっと、ベテランのミュージシャンの皆さんと喋っていて話題になったんですけれども、私世代とか私より下の世代が、例えばセッションしたときに、なんかやっぱり、会話も音もないというか、相手の音を聞かないという世代というか、そういう人が多いって話になったんですよね。
O:ほお。それは世代の問題なのか、あるいは彼らの経験値の少なさの問題なのか、どっちなんでしょうね?
K:経験値ってのもあるんでしょうが、まあ、なんとなく思うのが、なんかこの、SNS世代っていうのか。
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O:ははは、千里さんは若いのにねぇ、さすが経験が多いから、そういうところがしっかりしていますね。でもそういう意識がないとプロの現場で、特に自分よりも歳上のベテランの人たちと一緒に演奏するというような状況ではね。そういった先輩の方から声をかけてきてくれるというのもなかなか難しいでしょうから、若い人の方から積極的にアプローチした方が、やはりコミュニケーションも取りやすいでしょうね。
K:そうなんですよ、昨日もそういった話になって、私も「グサッ!」じゃないですけれど、私もまだその若い世代に入るので、「あっ、ほんと、気をつけまーす!」みたいな。
O:いやいやいや。
K:「ほんと、気をつけます。ちゃんと拾っていきます!」みたいな気持ちになったな、って事があったので。
O:コミュニケートは言葉でも音でも、ちゃんと取ろうということですね!
K:はい、大事だなと。
O:いや、ちょっと長くってなってしまいましたが、本当にありがとうございました!

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45年のベース歴、30数年のプロ活動
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