「グルーブとはなに?」そして「グル-ブを出すために大事なことは、イメージを持つこと」

四方山コラムの第4回目です。
今回のコラムは、「グルーブとはなに?」 そして「グル-ブを出すために大事なことは、イメージを持つこと」というようなお話をしたいと思います。
(全文はサロンに掲載しています)

レッスンやクリニックをしていて、生徒さんや参加者から出る質問の中で最も多いもののひとつが「グルーブ」についてかと思います。
僕も、音楽を志すようになってから45年近く、ずっとその「グルーブ」なるものと戦ってきた気がします。
先ほどのレッスンやクリニックでの質問でよくでてくるものを列挙すると、
• グルーブって何ですが?
• グルーブするってどんなことですか?
• どうすればグルーブしますか?
というような事かと思います。でもこの質問が、数ある質問の中でも一番重要でありながら、一番答えの難しいものだと思います。
その理由は、グルーブしている、すなわち「いかす演奏」や「乗りの良いリズム」というのが、非常に抽象的な概念であり、定型の答えがあるものではなく、人の嗜好によって千差万別なものであるからかと思います。
そんなことで、まずは、僕なりのグルーブの定義をしておきたいと思います。グルーブなるものの正体を定義しておかないと、その対策も語れませんからね。

僕はグルーブとは、その演奏に参加しているメンバー全員が、その演奏における美意識を共有できた瞬間に出てくる、独特のリズムであったり、またはリズムの揺れであったり、さらにはダイナミックスに代表されるような、アンサンブルのニュアンス付けであったり、というようなものであり、それが出ている状況が、いわゆる「グルーブしている」状況だと思っています。そういう意味では、クリック(メトロノーム)にぴったりと合っていない、言い換えれば、一定のテンポをきちんとキープできていない演奏であったとしても、バンド全員が共通の意識を持って、皆で一緒に遅れていく、逆に、当初のテンポより走っていっていくとしても、「だからグルーブしていない」ということではないと思っています。
ただ、ジャムセッションのように、初めて一緒に演奏する人がいるというような、メンバー間でそこまでしっかり美意識を共有できていないような状況では、とにかくテンポを一定に保つことがもっとも安全策であると考えられるので、テンポをキープするということがとても重要だとされているのでしょう。

僕のこの「グルーブ」の定義からすると、それは「リズムがいい」ということとはちょっと違うのだろうと思います。「リズムがいい」というのはまさに、一定のパルスを、それからずれることなくしっかりキープできることを言うのだと思います。ミュージシャンの間では、そのパルスは多くの場合、クリックやドンカマ、メトロノームといった機器で発信され、それに合わせて練習したりレコーディングしたりします。いわゆる「リズムのいい」ミュージシャンというのは、そういうときに、しっかりとそのパルスに合わせて演奏できる人だったり、最初に出たテンポから、大きく外れることなく、最後までそのテンポをキープできる人を言います。皆さんもメトロノームに合わせてのリズム・トレーニングを、普段の練習に取り入れられていることかと思います。でもその「リズムがいい」だけではご機嫌なグルーブは出せないということは、理解してもらえたでしょうか?

さてでは話を、今回のコラムの本題、「ではどうすればグルーブするようになるのか」という話に進みましょう。
バンドというようなアンサンブルにおいてグルーブを出すためには、もちろん個々のプレーヤーがしっかりリズムトレーニングすることは基本ですが、その上でメンバー間でディスカッションやリハーサルを重ね、美意識を共有することかと思います。
では個々のプレーヤーにとっては、どんなことを意識することが大事でしょうか? ここで僕が提案したいことが、「イメージをしっかり持つ」ということです。これはもちろん複数のプレーヤーによるアンサンブルでも、当然大事なアイデアであるといえます。
「イメージを持つ」ということを、もう少し具体的に説明しましょう。もし仮にあなたが、「Dm7-G7」とだけ書いてある譜面を渡されて、「リズムは、ちょっとはねたファンク。テンポは、ちょっとゆったりで、100くらいにしておこうか。じゃあ行くよ!」と言われたときに、どんなベースを弾きますか? これはある意味、無理難題な要求なんですが、でも実際のジャムセッションでもそうでしょうし、プロのライブでも、このように、肝心な情報が無いまま、楽曲が始まることがよくあります。でもそんなときに、「さて、どんなベースを弾こうか?」と迷っているようでは、すくなくとも最初の数十秒は、絶対グルーブは出せません。

こういうときに、とても大事なことは、「テンポ=100,はねたファンク、コード進行はDm7-G7」という、たったこれだけの情報で、瞬間に、ご機嫌にグルーブしているイメージをキャッチすることです。同じように、「これ、ラテンでお願いします。」というのも、よくありますね。でもラテンって言ったって、そのリズムパターンは何十通りもあります。その多くの選択肢からどんなリズムパターンを選ぶかは、まさに、今から演奏しようとしている曲に対して、どんなイメージを持つかということかと思います。そしてとりあえず演奏を始めてはみたが、もしそれがドラマーやピアニストが感じているものと違っていれば、とにかく早い段階で、その差違の修正し、お互いに歩み寄って、美意識を共有し合うことです。

僕はレッスンの時に、よく生徒に、次のように言うことがあります。なにかグルーブが鍵となるようなベースパターンを演奏してもらうときに、「いまからあなたは、東京ドームで演奏することを想像してみてください。しかもオープニングで、しかもしかもコンサートの1曲目はベースのグルーブソロから始まります。2万人の観客を、あなたのベース一本で総立ちにさせないといけない、そんな状況を想像して演奏してみてください。」 オリンピックに出ようかというようなアスリートは、いつもその決勝の舞台をイメージして練習しているそうです。ベーシストも、こういったイメージトレーニングをして、いつでも誰の前でも、何人の前でもグルーブが出せるよう、イメージトレーニングしておくことが大事ですね。

そして、そのイメージをキャッチする上で大事なことは、たくさんたくさん、そして様々なジャンルの良い音楽を聴き、そこにあるすばらしいリズムや表現方法、音楽的コンセプトを抜き出し、それらをしっかりと自分の頭の中にインプットする。そしてそういった物が、いつでもアウトプットできるように、しっかりと整理整頓してしまっておく、こういう作業が肝心かと思います。
いかがでしょうか?

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