
本日は布川俊樹さんのValisのレコーディング。
このバンドは、僕が1991年に参加してからでも34年の年月が経っていますが、結成はそのはるか前。
僕の以前には、青木智仁さんや水野正敏さん、樋沢達彦さん等々、錚々たるベーシストが参加していたそうです。
そんなValisは一度解散したのですが、いま年に数回だけのライブをやるために、それも6人いたメンバーをカルテットに縮小して演奏しています。
このメンバーでのレコーディングは、おそらく解散を決めた最後のライブレコーディングの2003年以来ではないでしょうか。
実は初めてValisのレコーディングに参加した1990年、青木智仁さんもベーシストとして呼ばれていて、たまたま青木さんの収録曲の次に僕が参加する曲だったので、少し早くスタジオに行ったら、そこに青木さんがいました。それはいいのですが、彼の周りには何と、ミュージシャン志望の若者が5-6人はいたでしょうか。聞けば全て青木さんの付き人とのこと。
僕はバークリーから帰国して、そして東京に来てまだ2年ほどの頃。それこそミュージシャンの知り合いはほとんどいない、いや、仕事すらほとんどない頃です。
そんな僕が、付き人を何人も従えてレコーディングに臨んでいる青木智仁というベーシストを目の前にして、
「ああ、これが東京の一線のミュージシャンか!」と痛感した記憶が鮮明にあります。
それから35年、その青木さんはもうこの世にはいません。あの時の僕が、この35年後を想像することなど全く出来ませんでした。
さてそれはさておき、今日はケンパーを使って、スラップとフレットレスを録音しましたが、とても良い音で録音できたような気がします。
なぜ青木さんの話をしたかというと、その35年前、同じアルバムで同じようにスラップをした時に、その音の歴然たる差に愕然とした記憶があったのですが、今日はケンパーのおかげで、あの時の青木さんのスラップの音に近づくことができたような気がしました。
さらに言えば、その同じ機材で、ご機嫌なフレットレスのサウンドも得ることが出来たのです!
ケンパーって、流石だなと感じたレコーディングでした。