ヤマハの電子ピアノ・クラビノーバで打ち込みをすることがあるのですが、ベースの音色がやたらいっぱいあって迷うことが多いです。
例えば、楽譜上「E.Bass」とだけあっても音色には、エレクトリックベースフィンガーベース、ピックベース、アナログベース、フレットレスベース、スラップベース…などなど一体何を使ったらいいの?と思ってしまいます。
その曲に合う音色ってことなんでしょうか?フレットレスを使う効果とは…?
HPでのQ&Aで、「使い分けにはな~んにも考えてません」ってありますが(笑)
ベースの音色を選ぶ、という感覚がいまいちわかりません。何かあれば教えてください。
その曲にどんな楽器・音色が合うかは、その音楽を作る人自身が決めるしかありません。
いろんなベースの音で試してみて、どれがいちばんしっくり来るかを探すしかありません。

僕自身、「なーんにも考えていない」というのは、その日その瞬間そのときのメンバー、そのときの気分に依って、どんな音色、さらにはどんな楽器が合うのかの選択が変わってくるからです。
何も考えていないというより、そのときにならないと自分でも分からない、というのが正直なところでしょうか。

昨日まで「ウッドがいいなぁ」と思っていても、翌日には、「うん、今日はスラップ・ベースでいこう!」なんていうふうに180度、方向性が変わることもあります。
ただ、録音などというように、作品や録音物として記録が残る場合は、少なくともその時点でベストと思える楽器・音色・弾き方を決めないといけませんね。
しかしそれには何か法則があるわけではなく、あくまでその人のセンスに依ります。

そういう意味では、一流のミュージシャンは、皆、自分自身の音色や唄い方・弾き方を持っていますね。
そういうことで、そんなセンスを身につける最も重要な解決策は、とにかく一杯音楽を聴く、特にベースの音色のことについてなら、とにかくベースの音色に焦点を当てながら、いろんな音楽・ベーシストを聴くということでしょう。
すくなくとも我々ベーシストは、それを何年も何年もやり続けています。
ピアノのタッチやニュアンス、はたまたシンセの音色作りと全く同じと 考えてもらって結構です。

フレットレスの効果ですが、やはりその独特の音色と、ニュアンスをいろんなふうにつけることができるという点でしょう。
フレッテッドの場合も、いろんな音色を作れますが、どうしてもフレットがある分、音のエッジがはっきりします。
それがフレッテッドの持ち味でもありますが、その逆に、フレットレスは、金属製のフレットではなく、人間の手が押さえるので、当然丸く柔らかな音になります。
もちろんどちらの楽器でも、弾き方次第でその逆の音色を出すこともできるのですが。
ニュアンスに関しては、もう比較になりません。
それがフレットレスの最大の魅力でしょう。

ですから、もし打ち込みの時に「フレットレス・ベース」を選んだのなら、フレーズそのものだけでなく、そのフレーズの唄い方、特にビブラートやベンディングといった処理をうまくしないと、フレットレス・ベースを選択した意味がないといえます。

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!