
サロンの以下の質問をいただきました。
問:
耳コピでの拍子・リズムに取り方について質問です。
キーやコードはなんとなくわかるのですが、困っているのがその曲の拍子や弱起について具体的に2曲、わからずに困っております。
①Mountain Dance(Dave Grusin)
これは4/4なんでしょうか。また、頭がどこかわかりません。
②ゲッタウェイ(Lee Ritenour)
頭の、16分音符3つ。EW&Fの原曲は、16分1つだけだと思っていたのですが、Gentle Thoughtsのこの演奏は直前のドラムのリズムからしても16分2つが弱起になっているようです。これはアレンジなんでしょうか。
EW&F ライブ
Gentle Thoughts
ともに、ネットで譜面を探すと異なったものがあり、バンド内でラチがあかず困っております。
結局は、作曲者(編曲者)本人でないとわからないものなのかなあと思ったりしております。
こういう場合のとり方はありますでしょうか。
答:
この「①Mountain Dance(Dave Grusin)」は僕も大好きなアルバムで、このアルバムが世に出た頃から本当によく聞いていました。
でもこの曲がどういう譜割りで出来ているのかについては、この質問をいただくまで、全く気にしていませんでした。
ということで、昨日から採譜してみましたが、これ難しいですね!
もうそこから一体何回聞いたことか!
一応、譜面にしてみましたが、合っているのかどうか、100%の自信はありません。
でも送っていただいた、世に出ている譜面(貼付しています)よりはずっとわかりやすい(あるいは正確な)表記になっていると思います。
「②ゲッタウェイ(Lee Ritenour)」の方ですが、これは多くの方が、このGentle Thoughtsの譜割りだと思っているでしょうし、僕も若い頃はそう思っていました。
でもE,W&Fは、確かに16分音符1つ分だけアフタクト(前に出ている)で始まっています。
Gentle Thoughtsの方は、16音符2つ分が前に出ていますね。
でも確かにE,W&Fの譜割りの方が、出だしのスピード感がありますね。
でもどちらも、おっしゃるとおり、最後は作曲者のみぞ知るということです。
ソロやベースラインのコピーでもそうですが、聞き取れないようなところが結構ありますよね。
そこで挫けてしまうこともよくあります。
でも僕が若い頃、そうなふうに、コピーしていて聞き取れないところは、もっともその演奏に近いと思われる譜割りやフレーズを適当に自分で作って、その聞き取れない部分を埋めるようにしていました。
でもそれをちゃんと譜面としてに残しておけば、数年経って(いや、いまでは数十年経って、ですね!)また聞き直すと、聞こえてなかった部分が聞こえるようになってきたりするものです。
それは、自分の耳や楽器の技術が伸びたというようなこともあるでしょうし、また理論の知識が増えた、なんて要因もあります。
ですので、とにかく挫けずコピーを続けることと、そしてちゃんと譜面におこしておくということが肝心ですね。
それと、この「①Mountain Dance(Dave Grusin)」のような、リズムの譜割りの採譜ですが、まずはドラムのパターンを聞くことがいいかと思います。
今回の譜面も、たとえばBセクションの最初の8分の3拍子が出てきます。
これは、彼らが実際どんな譜割りで演奏しているのか判りませんが、ドラムスのパターンを聞くと、Bセクションの最初の8分の3の小節の直後の小節で、シンバルのパターンが裏返っている(ということは、8分の3と考えれば次の小節から表帰るといっても良いでしょう)ように聞こえます。
ということで、この小節は8分の3で表記することにしました。
そんなところから手がかりを見つけていくことかと思います。
しかし、売り譜の表記は、かなりヘンテコな感じになっている感じがしますね。
特に、Aセクション(僕の譜面、売り譜の方のBセクションに当たります)のメロディなんか、どう聞いても、3拍目から出ているとは思えません。
もうこのように感じた時点で、この曲の譜割りは、訳がわからなくなってしまうと思います。
ということで、僕の譜面で一度、この曲を聴いてみてください。
サロンにご参加の皆さんも、まずは僕の譜面を見ずに、一度自分で採譜してみるのもいいと思いますよ。
このコロナの状況で、自宅でやることがないなんて方には、いい暇つぶしにも成りますし、また耳やリズムのトレーニングにもなります。いかがでしょうか?