
納浩一インターネットサロンの名物コーナー、「ズバリ! この人に聞く。あなたが求める理想のベーシストとは?」の第5回のゲストは、いまや人気・実力ともに、日本のトップにいる、アルトサックス奏者の本田雅人さんです。
このインタビューは、2019年11月に、東京ブルーノートオールスタービッグバンドで沖縄公演にいった折りに、お話を伺いました。
今回もいろいろ示唆に富むお話を伺うことが出来ました。
ということで、是非このお話を参考に、プロ・アマ問わず、フロント楽器の人が、あるいはバンドリーダーがベーシストにどういうことを求めているのかということをくみ取って、是非自分のプレイの参考にしてみてください!
僕自身、こうやって多くの素晴らしいプレーヤーの皆さんからお話を伺うことで、本当に勉強になっています。
(全文はサロンにて公開しています)
納(以下 O):今回のゲストは本田雅人さんです。よろしくお願いします。
本田(以下 H) : よろしくお願いします!
O:第5回目、いつものように、インタビューさせていただきます。
前回、第4回目のゲストは、テナーサックス奏者の小池修さんでした。
H:ほお。
O:今回は日本の最高峰のアルトサックス奏者、本田雅人さんにお越しいただいております。
で、いつものように、このコーナーでお伺いすることは、「ベースに求めること」、「理想のベーシストとは」、さらには「ベーシストにはこういうことに気をつけてほしい」というような点について、思いの丈をお話しいただければと思います。
H:何しろ、僕にとっては、ベースというのは「ベース」というだけに、音楽全体のベースになっていてほしいなということがすごくあります。まあ、みんなそう思ってやっているだろうし、それがまた、ベーシストにとっての一番の楽しみ甲斐のあるポイントだとは思うんですが。
もちろん、コード的な意味での、ルートというところでのベースという意味もありますが、でもそうじゃなくて、ラインのあるベースというものなどいろいろあるんですが、僕にとっては、リズムの核になっていてほしいというのがすごくありますね。
O:ほお。
H:特にポップス系のフィールドでは、まあ、僕がやっているフュージョン系のフィールドもそうなんですが、どちらかというと、ドラムスがビートの中心になっていて、ベースがそれにつけているような状況が割とあるじゃないですか。
O:はいはい、ありますね。多いですね。
H:ね。でも、ああなるとね、なんかつまんないんですよ。
O:ほおほお。
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H:ベースが引っ張っていってほしいって思うんですよね。だからベースとしては非常に責任重大ですよね。
O:いや、だから、ジャズならそういうこともよくわかるんですよね。4ビートって、今おっしゃったように、まさにそうなんですけれど、ポップスの状況においても、そのようなことを思ってらっしゃるとはおもいませんでした。
H:それがね、言うとあれですけど、それを感じてやっているベーシストの時と、そうじゃなくて、もちろんドラムスがすごくうまいから成り立つんですが、ただそれに合わせに行っているばっかりのベーシスト時では、楽しみ方、そしてその深さというのが違うように思いますね。
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さて、ではちょっと話を変えますね。このまえ、東京ブルーノートで、ミシェル・カミロとビッグバンドに参加されましたよね? 前回(第4回)のインタビューで、そのときのことを小池修さんに「どうでした?」ってお伺いしたのですが、特にリードアルトとして、あのバンドに参加されて、どんなことを感じましたか?
H:あれはねぇ、すごい、また新しい発見というか、すごく言い方、あるいは表現が難しいんですが…。「何でもいいんだな!」って感じでした。
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H:うん、もう勝手にやってるって感じ。で、そんなだけど、ほんとうに包容力があるんですよね。
O:深い、太いって感じですね。
H:向こうの人たち、みんなそうですよね。だから、すごい緊張感の中でやっているんだけど、なんか、こっちの音もすごく聞かれているので、何の問題も起きないってとこがすごいですね。
O:さすがですねぇ。
H:ま、いつもこのブルーノートオールスタービッグバンドに来てくれる向こうの人、どれもすごいじゃないですか?
O:はい! それはもう。
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O:では最後に、もう大体言ってもらったとは思いますが、逆に「こういうベーシストに困る」っていうような視点で、なにかご意見はありますか? あるいは、「こういうことには特に気をつけてほしい」というようなアドバイスはありますか?
H:ああ、あれですね。音の長さのコントロールですね。
O:あ〜〜。
H:そのコントロールがされていない人、結構上手なのに、それをされていない人って、結構いるんですよね。
O:小池さんも同じことをおっしゃってましたね。
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O:いや〜、貴重なお話、どうもありがとうございました!
H:はい、ありがとうございました。