問:納さんにとってミュージシャンとはなにをする職業でしょうか?

僕のインターネットサロンに、匿名で以下のようなご質問をいただきました。
(回答の全文はサロンにて公開しています)

問:納さんにとってミュージシャンとはなにをする職業でしょうか?
知人でプロを目指したいという子がいまして話を聴いていたのですが、どうも「いい音楽をひたすらに作っていく」と昔ならそれでよかったと思うのですが、今はそれだけでは難しいのでは、と思う次第です。
なにを持ってプロというのか、プロとして認められるにはどんなことが必要なのか、ぜひ教えてください!

答:最初の「ミュージシャンとは何をする職業でしょうか?」という質問は、答えるのにとても難しい質問ですし、また、個々のミュージシャンによって、その答えがそれぞれ違うようなものかと思います。
ということで、僕の個人的な考えに基づくお答えしかできないことはご了解ください。

単刀直入に「ミュージシャンとは何をする職業?」と問われれば、昔の僕なら「要求に対して、それに最も適合した音を提供する仕事であり、それが出来る人が職業音楽家、すなわちミュージシャン」だと思っていましたし、そのように出来るよう、頑張ってきました。
ですが今は、それに加えて「音楽を創造し、その創造物で、それを聞く人に生きる喜びを提供できること」ということも強く意識するようになってきています。
そういう意味では、職業音楽家というスタンスに、ちょっと芸術家というスタンスも入ってきたのかもしれません。
まとめると、今の僕にとってミュージシャンとは、「その人の想像する音楽で、聞く人に生きる喜びを与えることが出来る人」であり、その対価として、お金をもらうことが出来る人だと思っています。

「いい音楽をひたすらに作っていく」について。
「昔はそれでもよかった」というのも事実です。
それは、音楽業界そのものが、1950〜2000年くらいまでは、ある意味、バブルのような時代でしたから、多少「良くない」と思えるような音楽でも、あるいは多少「この人、ほんとに大丈夫?」というようなレベルのミュージシャンでもなんとかお金が稼げる時代だったと思います。そういう意味で「昔ならそれで良かった」んですが、本当に意味では、いつの時代でも「それでないといけない」(=ひたすら良い音楽の創作を目指していないといけない)はずだったんですよね。
逆に言えば、昔のように音楽バブルの時代なら、「ひたすら良い音楽を目指している」という志や、音楽に対する熱い想いさえ持っていれば、多少その質に問題があっても、まあなんとか音楽で食っていけたということでしょうか。
でもいまや、そんな熱い想いがあって、さらに本当に実力があっても食えない時代になってしまいました。
おっしゃるとおり、そんな時代、ただ熱い想いだけじゃやっていけないというのも事実です。でもやはりまずは、「とにかく良い音楽をひたすら作っていく」という想いがないとだめですね。

で、「なにを持ってプロというのか、プロとして認められるにはどんなことが必要なのか」ですが、これもなかなか難しい質問です。
簡単に答えるならば、最初にも言いましたが、まずは、リスナーやクライアント、あるいはバンドリーダー等々の要求に応じて、それに適合した音を奏でたり創作できる技術を持っているミュージシャンをプロというのだと思います。
そういう意味では、アマチュアは、自分の得意なことしか興味がないし、それしかしたいと思っていないですよね。そして、それこそがアマチュアの特権です!
で、その観点から言うと、プロとして認められるのに必要なのは、そういった要求に、どれだけ的確に適合した音を提供できるかということではないでしょうか?

「ひたすらいい音を作」っていても、それが誰からも求められない、独りよがりなものでは、やはり職業ミュージシャンとしてはやっていけないでしょう。
でも自分で、「これは良い音楽だ!」と、自分の演奏や作品に自信が持てていないようでは、これまたプロのミュージシャンとはいえません。
いかがでしょうか?

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