It Could Happen To You ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)

DL20030601

It Could Happen To You ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)

商品番号:DL20030601
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ジャズライフ掲載時の解説
この曲は、ジャズのセッションでは必ずと言っていいほど演奏される曲のひとつです。
コード進行も、メロディも、特にこれだというような特徴があるとは思えないのですが、でもとても人気があります。
やはり何十年にも渡って多くの人から愛されるからには、やはりこの曲独特のなにかがあるに違いありません。それは何でしょうか?今回はそんなあたりから、解説を始めたいと思います。

例えば「StellaByStarlight」なら、出だしのEm7(b5)-A7(b9)というコード群。

トニック・ディミニッシュを元にしたリ・ハーモナイゼーションと言えるこの2つのコードが、あの曲を決定的に特徴づけるもので有り、他のスタンダード曲ではほとんどお目に掛かることがありません。「AutumnLeaves」なら、やはりAセクションで何度も繰り返されるあのモチーフ、「枯葉よ~」という歌詞が乗るあのメロディでしょうか?といった具合に、やはり何十年も生き残っているスタンダード曲には、大抵、その曲を印象づける上で、決定的なアイデアが、そのメロディやコード進行、あるいはリズム・パターンなどに詰まっているものです。

「Night In Tunisia」なら、イントロのベースパターンですよね。さてでは今回の課題曲の場合、それは何なのでしょう?

僕が思うに、それは最初の4小節のコード進行ではないでしょうか?1小節目、これは何の問題もなく、トニックのEbM7です。
しかし続く2小節目には、メロディにDbが入ることによって、ダイアトニック・コードであるところのGm7ではなく、Gm7(b5)が来ています。続くコードもC7(b9)です。

これらは、まさにFm7に進行するツーファイブですがこの、メロディにもあり、また2つのコードの中にもあるDbの音が、この曲を特徴づける最大のポイントかと思います。

そしてそれをさらに強く印象づけるために、4小節目にはAm7(b5)-D7(b9)というコード進行を持ってきています。これはGm7に進行するツーファイブですが、5小節目には、そのGm7ではなくEbM7を持ってくることによって、偽終止させています。

コード進行を見れば、別段どうということがないように見えますが、では他のスタンダード曲にこのような進行があるかといえば、答えは「No」です。この進行こそがまさにこの曲であり、仮にこの進行を他の曲の出だしで使ってみようと思っても、誰もがこの曲を想定してしまうので、実は他のスタンダード曲ではまず無いといえるでしょう。

こうやって考えると、やはり本当によくできた曲だと思います。

1944年作ですからもう70年前の作曲。
話は逸れますが、70年も前の曲を、未だにみんなが懸命に勉強しながら演奏しているというのも、ジャズでは当たり前のようですが、よく考えると不思議なことですね。さて、ではソロに関してだけ、若干解説しておきましょう。
今回も、かなり細かく動くソロを作りました。これをアコースティックベースで弾くのはかなり困難かと思います。8分音符を多用した、ビ・バップっぽいソロです

が、リズミックなアイデアも結構取り入れています。

5・6小節目や13・14小節目、21・22小節目のフレーズがそれに当たります。
リズミックはアイデアを上手く使えば、シンプルな音の選択でも、十分変化に富んだフレーズを作ることができます。皆さんも色々、研究してみてください。

推奨音源
Relaxin’ With The Miles Davis Quintet/Miles Davis
この曲に限らず、このアルバムを含めた、この時代のマイルスの作品での数々のスタンダード曲の演奏は、そのお手本といっていいでしょう。
中でも有名な3部作は、知らないともぐりといわれても仕方ありませんね。
えっ!知らない?じゃあ今すぐ購入を!しかしこの演奏、最後まで2ビートだ!?知らんかった…。僕ももぐりでした!

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