How Insensitive コードバッキングとアドリブ譜例

DL23090801

How Insensitive コードバッキングとアドリブ譜例

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ジャズライフでの連載、「月刊スタンダード」の2006年7月の課題曲は、「How Insensitive」でした。
今回それを動画付きで公開するに当たって、当時にはなかった、ベースによるボサノヴァの伴奏、それもコード弾きによる伴奏を加えることにしました。
譜面を見ていただいて分かるように、基本は、1,2弦でコードの3度と7度の音を弾き、3,4弦でルートと5度から成るボサノバのパターンを弾くというものです。
ボサノヴァでのギターによる伴奏も、大体はこんな感じですが、さすがに音域も高く、また弦も6本あるのでベースよりは遙かにサウンドさせやすいのですが、せっかくならベースでもやってみようということで、作って見ました。
譜面を参考にして、皆さんも是非トライしてみてください。
またこの曲で出来るようになったら、他のボサノヴァ曲のコード進行でもトライしてみてください。
もう一つ、この曲でポイントになるのが「ディミニッシュコード」の知識です。
ボサノヴァにはよく出てくるのですが、この曲のように2小節にも亘ってそのディミニッシュコードが出てくると、伴奏もですが、皆さんきっと、ソロでもとっても困るのではないでしょうか?
ということで、今回はそのディミニッシュコードの復習をしましょう。
サロンに参加している方なら、僕の理論書などでもう既に勉強済みですよね? ね? ね!?
では以下の質問に、順次答えていってください。

質問1)3,4小節目に出てくる「C#dim7」、そして19,20小節目に出てくる「Bdim7」ってなに?
答1)まずはこの質問に答えられますか?
そう、これはパッシング・ディミニッシュです。
(注:ディミニッシュコードにはその「パッシング・ディミニッシュ」以外に、「トニックディミニッシュ」というのもあります。ここでは触れませんが、これも各自、復習しておいてください。)

質問2)パッシング・ディミニッシュには2つのタイプがありますが、それはなにとなにでしょう?
答2)パッシング・ディミニッシュには上行系と下行系の2つのタイブがあります。
質問3)ではこの曲に出てくるディミニッシュコードは、そのどちらのタイプでしょう?

答3)どちらも下行系にパッシング・ディミニッシュです。
Dm7→C#dim7→Cm6
Cm6→Bdim7→B♭△7
という具合で、ルートの動きが下行していますよね。
これに対して上行系だと、
C△7→C#dim7→Dm7
とか
B♭m→Bdim7→Cm7
というようなルートの動きとなります。
質問4)ではそれぞれのアベイラブルスケール(=使用可能なスケール)の導き出し方は分かりますか? これが分からないとソロが取れないですよね?
ちなみにパッシング・ディミニッシュコードのスケールは、上行系と下行系でも異なりますし、また曲のキーや前後のコードといった、どんな状況で出てくるかによっても全て異なります。

答4)詳しくは僕の理論書「Jazz Standard Theory」などでおさらいしてもらいたいのですが、簡単に書くと、次のような順序になります。
あ)パッシング・ディミニッシュコードのコードトーンを並べる
い)各コードトーンの間は、そのディミニッシュコードが現れるときのキーのスケールノートで埋める
う)もしコードトーンの間に2つの音が存在する場合は、そのディミニッシュコードが進行するコードのコードトーンを優先し、他方は削除する
え)コードトーンの半音上の音はアボイドノートとなる
こんな具合です。ではこれに当てはめて、まずC#dim7のスケールを考えてみましょう。

あ)コードトーンは
C#、E、G、B♭
ですね。
い)この曲のキーはDmですから、上のコードトーンの間を、Dmのスケールノートで埋めていくと、(この場合、Dmはエオリアンだとします)
(C#)、D、(E)、F、(G)、A、(B♭)、C
う)幸い、この場合はコードトーンの間に2つの音が入るという状況は生まれませんでした。
え)コードトーンの半音上に当たる「D」「F」はアボイドノートとなりますが、アボイドノートだからと言って、少なくともソロの中では使えないわけではありません。注意すれば使用可能でであるというのは、他のスケールでのアボイドノートと同じですので、この辺りも是非おさらいしておいてください。
ということで、この「C#dim7」のスケールは、
C#-D(アボイド)-E-F(アボイド)-G-A-B♭-C
となります。
ではもう一つ、Bdim7のスケールも考えてみましょう。

あ)コードトーンは
B、D、F、A♭
い)この曲のキーは「C#dim7」と同じく、Dmですから、上のコードトーンの間を、Dmのスケールノートで埋めていくと、
(B)、C、(D)、E、(F)、G、(A♭)、A、B♭
う)この場合はコードトーン「A♭」と「B」の間に「A、B♭」という2つの音が入る状況ができてしまいました。
さらには、このコードの進行先のコードがB♭△7であることから、A、B♭も、そのB♭△7のコードトーンになります。ですが、どちらの音がより重要かというと、やはりルートの音でしょうから、コードトーンということであれば、やはり「B♭」を選択するべきでしょう。
しかも「A」の音は、「Bdim7」のコードトーンである「A♭」の半音上に当たりますから、アボイドノートでもあるわけです。
え)その他のアボイドノートとしては、「C」(「B」の半音上)が該当します。
ということで、この「Bdim7」のスケールは、
B-C(アボイド)-D-E-F-G-A♭-B♭
となります。

いやいや、ディミニッシュコードというのは本当に厄介なコードです。
でもボサノヴァでは頻繁に現れますから、しっかり勉強してきましょう!

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