Whims Of Chambers ベースコピー譜

DL20042101

Whims Of Chambers ベースコピー譜

商品番号:DL20042101
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バージョン 1
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「こんな曲をコピーしました!」の第10回は、以前「ベーシスト列伝」のコーナーで取り上げたポール・チェンバースの演奏を取り上げたいと思います。

曲は、彼の初リーダーアルバムで、1956年に発表された、その名も「Whims Of Chambers」というアルバムに収録されている、アルバムタイトル曲です。

音源は

にて。

1935年生まれということですから、このアルバム録音時には若干21歳。

そしてこのアルバムの発表と前後して、マイルスバンドに加入し、一気にジャズシーンのスターダムに駆け上がったようです。

しかし21歳でこのグルーブとビバップ・フレーズの理解力、やはり普通の人ではないですね。

彼がどういったベーシストであるかは、「ベーシスト列伝」の方で詳しく触れていますので、是非そちらを参考にしてみてください。

ここでは、この曲の演奏についての解説をしておきたいと思います。

まずはなんといってもこのテーマ!

かっこ良いですよね。

ベーシストの方は是非このテーマを練習して、セッションなんかで演奏してみてください。

きっとウケますよ。

ただ、このテーマの9小節目に現れる3連のフレーズは、なかなか大変です。

まあ、2フィンガーで演奏するならなんとかなりますが、チェンバースのように1フィンガーで演奏しようとすれば、相当な技術が必要となります。

でも1フィンガーでないと、この絶妙なニュアンスは出ないと思います。

が、かく言う私は、1フィンガーでは出来ません、あしからず。

それに続くソロですが、ソロをよく聴いていただくと(譜面を購入の方は譜面を見ていただけると)わかると思うのですが、各フレーズの最初はほとんどといって良いほど、裏から入っています。

もちろん、そのフレーズが唄の流れとして数小節にわたって続く場合は、その途中では1拍目も弾いていますが、各フレーズを塊ごとに見ていくと、そのほとんどのフレーズの入り口は、裏拍から入っています。

これは、ジャズのフレージングではかなり重要です。

ジャズのノリを、あまりしっかり研究できていないアマチュアベーシストにありがちなのが、どのフレーズもオンビートから入ってしまうというフレージングです。

すると、どうしても縦乗りになって、悪くいえば、日本の演歌や盆踊りのノリになってしまいます。

ですから、「フレーズの入り口はとにかく裏から!」ということを意識することが大事です。

次なるポイントは、やはりクロマティックアプローチノートの多用です。

これも譜面を見ていただくと一目瞭然なのですが、随所に付いている臨時記号は、そのほとんどがクロマティックアプローチノートだといえます。

もちろんオルタードテンションが多く含まれるスケールを使用しているとの見方も出来ますが、僕には、それよりも、単にクロマティックアプローチノートの多用と見なす方がしっくりくるように思えます。

というのも、そういったオルタードテンションの音を、それが使えるドミナントコードで使用しているというよりも、もう隙あれば?7に当たるF7であろうが、?7のB♭7であろうが、どんなところにでも使っていますが、一方、まさにここぞというドミナントコードの場合に、それほどオルタードテンションを意識したフレージングにはなっていないように思えるからです。

まあ、この辺りは、本人のみぞ知る、ですから、あの世でチェンバースに会ったら確認してみます。

そのクロマティックアプローチに関していうなら、「挟み込みのクロマティックアプローチ」が多いですね。

具体的にいうなら、もしターゲットノートを「A」とした場合、その音に対して、G#とB♭の音をアプローチノートとしてその「A」の音に進行するようなフレージングですね。

あるいは、ダブルクロマティックアプローチも多いです。

ターゲットノートを「A」とした場合、その音に対して、B→B♭→Aと進行するようなフレージングです。

音だけ聞いていると、なかなかわかりませんが、譜面にして眺めてみると、そういうポイントがたくさん見つかります。

是非譜面と共に、このソロを研究してみてください。

あと、ラインについて。

このラインは実にオーソドックスなラインといえます。

例えば、「ベース列伝」で取り上げた、レッド・ガーランドのアルバム、「Groovy」(1957年)では、彼のラインにはもっと不思議な、それこそコードとは合わない解明不明な音が随所に現れますが、この曲のラインではそういった音はほとんどありません。

まあ、チェンバース自身の、しかも初リーダーアルバムということで、あまり過激なことは避けたのでしょうか?

この辺りも、あの世で本人に確認することにしておきましょう。

でもこうやって改めて採譜してみると、僕はチェンバースのラインの作り方に、結構影響を受けていたんだなと思いました。

自分がよく使うラインのアイデアが、あちらこちらにあるものですから。

やはりジャズをはじめた当初、よくチェンバースを勉強した影響が、そんなところにも残っているんですね。

ということで、この演奏もとても研究しがいのあるものですから、是非譜面と共に考察してみてください!

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