
ジャズライフに掲載していた「スタンダード・ベース講座〜ジャムセッションへの道〜」
のベースラインとアドリブ譜面をこの度、オフィシャルサイトでもダウンロードできるようにしました。
これはサロンメンバーの方以外でもダウンロードできますので、ジャズベース初心者の方から新たな技量を身に着けたい方など、もしよければダウンロードしてみてください。
ジャズライフ掲載時の解説
この曲のさび(Bセクション)のコード進行ってとても難しいですよね?
そのむかし、ジャズを始めた頃に、初めてこの曲を演奏した時、面食らった記憶が鮮明にあります。
Aセクションのコード進行がとても普通なだけに、このさびをどう乗り切るかがこの曲のポイントかと思います。(とはいえ、コード進行が簡単だからっ て、良いソロが取れるとは限らないんですが... ) 良いソロが取れるかどうかはさておき、とりあえずAセクションは良しとして、今回の講座ではこのさびの部分を徹底研究したいと思います。
端的にいってしまえば、 この部分は2小節づつ、次々と転調が連続していると考えて良いと思います。
ですから、転調ごとに次々とスケールが変化していくということなので、言い換えれば、 さっきまで使えていた音が、次の小節では、あっという間に使ってはいけないに音になってしまうという、大変やっかいな状況です。
ではその転調に関して、細かく 分析してみましょう。 さびの最初のコード「BbM7」は、この曲のキーがFですから、
キー・FのIVMaj7(機能としてはサブ・ドミナント)だと考えて良いでしょう。
すなわちキーはFです。
続く「Abm7-Db7|GbM7」は、GbM7のツーファイブであり、ここは既にキー・Gbへの転調と考えるべきでしょう。
続く「Em7-A7|DM7」 も、キー・Dへの転調、続く「Abm7-Db7|GbM7」で再びキー・Gbに戻り、最後 の「「Gm7-C7」で、キー・Fに戻るという進行です。FとGbでは、半音の転調で すから、使える音がBb以外は全て変わってしまうんですよね。GbからD、そして 再びGbへの転調では、その二つのキーに共通は音はGb(=F#)とB、及びDb(=C#) の3音です。
Dのときに敢えて、使用可能なスケールをリディアンだと考えれば、 Abも使用可能になります。
4音共通であれば、これは結構様々なフレーズが作れま すね。ここでちょっとメロディーを見てみてください。
さびの前半ですが、頭から 見ていくと、メロディーの流れが「C→Bb→Ab→Ab→Gb→E」となっていますね。
このような声部の流れを「ガイド・ライン」といいます。
こういう流れを本にソロ を構築するのも良いでしょうし、僕の作ったソロのように、17・18小節目のモチーフを21・22小節目で展開するという「モチーフ・デベロップメント」というアイデアも有効です。
このあたりのことは何度もこの講座で触れましたよね。
さてここで、今回この課題曲に関して、ちょっと気づいた事に触れておきます。
さびのこのやっかいなコード進行を見て何か気づきませんか?
あるいは以下のようにすれば分かるかもしれません。
各ツーファイブの、ツーのコードを取り除くんです。
すると「BbM7|Db7|GbM7|A7|DM7|Abm7-Db7|GbM7」となります。如何ですか?
まだわからない人は、このコードを全て半音上げてみてください。さらに最初の4つのコードを2拍ずつに置き換えてみてください。
するとこうなります。 「B-D7|G-Bb7|Eb|Am7-D7|G」。どうですか?
わかった人はかなりのジャズ通ですね。
そうです、これはコルトレーンの「Giant Steps」の最初の5小節です。
なんと1937年に作曲されたこの曲には、既に、いわゆるコルトレーンチェンジが使われていたのです!
いや~、驚きです。リチャード・ロジャースって、凄い作曲家だったんですね!
推奨音源
July 5th/Great Jazz Trio
ハンク・ジョーンズにジョン・パティトゥッチ、オマー・ハキムという、なかなか おもしろい取り合わせです。
しかもライブアルバム。ハンクもですが、パティトゥッチも、相も変わらずまたまた良いソロをしています。
このソロはとっても参考 になると思いますよ!
しかし最近の彼のアコースティック・ベースは本当にいいですよね。
譜面は別途課金制となっています。
このコラムでのベース譜を制作しました。
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