8月27日に、最近本当に一緒にやる機会の多くなってきた、そしてぼくの「琴線」でも素晴らしい演奏をしてくれたドラマー、則竹裕之くんのバースディーライブがありました。その時に、ステージに運ばれてきたバースディーケーキの写真を撮ったので載せておきますね。

さてメンバーはというと、もう大先輩で、僕が学生の頃からのジャズ界の大スター、ギターの渡辺香津美さんと、つい先日も山野ビッグバンドコンテストで共に審査員を務めた、これまた、いまのジャズ界のスター、本田雅人君という、素晴らしい方々です。実をいうと、香津美さんとも本田君とも、こういった本気の本気のセッションというのは初めてでした。香津美さんとは、香津美さんが、僕が教える洗足音大の客員教授をされているということもあって、その大学の特別コンサートで共演したり、トコさんこと日野元彦さんがまだご存命の頃、確かそのセッションでご一緒させていただいたり、森山良子さんのジャズツアーでもご一緒させていただきましたが、それぞれ、企画ものという色合いが強く、僕自身、自分が思う存分、自分のやりたいようにできるという状況ではなかったんですね。本田君とは、もっとご一緒する機会が少なく、ただ一度だけ、数年前に、ベースのバカボン鈴木さんの急病で、そのトラとして、しかも「俺唄」という(知ってる人は知ってますよね?)、本気とは到底いえない(もちろん最高に楽しいセッションでしたが)ライブでの共演だったので、これまた、全力で、という状況ではありませんでした。
そんなこんなでおおいに楽しみにしていたのですが、その期待を遙かに超える内容で、本当に刺激的でした。演奏時間もそれに伴って凄まじく長くなり、1部1時間半、2部に至っては2時間という、あり得な~~いくらい長いステージでした。しかも演奏曲は各6曲。まあ、2部はアンコールもありましたが、平均1曲の演奏時間が15~20分強?? いや、ほんと、あり得ないですね。そんな白熱したライブでした。
香津美さんも本田君も、そして則竹君も、本当にストロングですね。走り出したらもう誰も止められない、ってかんじで、驀進するソロのオンパレード! 凄かったです。半分以上の曲がアコベでの演奏だったのですが、アコベであのパワーと音量に立ち向かうのは至難の業です。翌日になっても右手の指がジンジンしてました。
でもさすがはスター達ですね。そのストロングさ、そして強い個性、さらに皆さんの素敵な人となり。どれもこれも本当に刺激的でした。またこんなメンバーでセッションできる日を楽しみにしています。

8月28日は、川崎ピアニシモというお店での、フルートの井上信平さんのライブ。このお店に来るのはもう10年ぶりくらいでしょうか? ママさんも、ちょっと大きくなられていましたが、お元気そうで、本当に懐かしかったです。メンバーも、森山良子バンドで一緒の古川初穂さんと、そのむかしずっとB.B.Grooveでドラマーを務めてくれていた岩瀬立飛くんという、これまた素晴らしいメンバーで、これまた本当に楽しいセッションでした。信平さんのフルートって、素晴らしいですよね。あんなに素敵な音色で、しかもグルーヴィー。信平さんのオリジナル曲も、信平ワールドというのがあって、さわやかなアメリカの風が薫る、印象的な曲揃い。楽しかったです。

27日でのセッションでも28日でのセッションでも、アコベとエレベの両方を使ったのですが、これが色々思うところがあったんですね。アコベでジャズを演奏したかと思うと、次の曲ではエレベでファンク。自分ではもうこれは当たり前になっているのですが、この持ち替えが、きっとそう簡単なことではないのかなぁと、あらためて思いました。演奏そのものの出来がどうのこうのというのでなく(というか、結果的にはいつも不満一杯です)、自分でも未だにとまどうのが、その音量や音質や奏法のコントロールです。だって全く異なる楽器、音量も劇的に違えば、音質も奏法もそうです。アコベでは音量も限られていますが、香津美さんや本田君、則竹君のパワーに対応するには限界があります。エレベだと簡単なんですがね。で、ピアニシモのような、ピアノも生音の、PAのないお店なら本当にアコベでの演奏は楽なのですが、その分エレベに持ち替えたときに、フルートやピアノといったアコースティック楽器との音量や音質を揃えなければなりません。こういったことは、僕が持ち替えを決意したときからずっと必死で取り組んできたことであり、しかも未だに試行錯誤していることですが、これはそう簡単ではないことを、あらためて知りました。実際、自分の納得できる音が出ない時って、演奏も全然いい感じでできないんですよね。ずっとそのことばかり頭に引っ掛かって、演奏に集中できません。
そんなことで、自分がトライしようとしていること、あるいはそれなりにできている事っていうのは、相当なことなのかなぁ、なんて感じました。

ちょっと手前味噌ですが、まあ、ブログということで、こんな事も書かせていただきました。皆さんに、楽器の持ち替えの時にはこういったことを思いながら、あれこれ葛藤しながらやっているんだということを知ってもらえると、また僕の演奏もちょっと違った支点で楽しめるかもしれませんからね。

さて今日もサムタイムでは両方持ってきてくれとのこと。また試行錯誤が続きそうです。

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!