いよいよ(その1)師走になりました! 早いものですね。もう今年も終わりです。
皆さんにとってはどんな年でしたか? はっきり言って景気は、僕が社会人になって20年以上経ちますが、きっと今が最悪といっていいのではないでしょうか? 巷に流れる色々な情報を聞いていても、また身近な情報をみていても、本当に厳しいなって感じです。ライブハウスのオーナーの方々も、切実に厳しさを訴えていらっしゃいますしね。
でもみなさん、こんな時だからこそ、是非音楽を楽しみましょうね。懐が許す限り、是非よろしくお願いします。

いよいよ(その2)今日はEQのライブレコーディングの日になりました。通算6枚目のアルバムです。2001年に結成された我々EQも既に来年は9年目。10年10枚は続けようという意気込みで始まったEQ、9年6枚目までは来たわけです。
今の感じでは後10年くらいは続きそうですね。
今回のレコーディングに向けてのツアーでも、かなり手応えがある新曲揃い。ライブに来ていただいた方にはそれが伝わったのではないかなと自負しております。僕の新曲「七味唐辛子」も「49」も結構好評を頂いているようです。嬉しい限りです。
もちろん他のメンバーの曲もええ感じです。みんなもちろんいいプレーヤーですが、それに負けないくらいいい作曲家だと思います。ジャズのことを本当によく知った、また本当にアイデア豊富な作曲家達でもあると思います。EQの強みはそういうところにもあるのではないでしょうか? 一人のリーダーが、自分のオリジナルを中心に選曲をするのではなく、4人がそれぞれの曲をを持ち寄ることで、本当にバラエティーに富んだ、トータルなサウンドを出すことができるというのが、我々の特徴だと思います。そんな当たりもまた、今回のアルバムや、ライブで楽しんでいただければと思います。
とにかく今日は、ライブレコーディングということもあり、一発勝負。やり直しはもちろん、ちょっとした修正も利きません。でもそれこそがジャズの真骨頂だと思います。その瞬間のハプニングを、そこから聞こえてくるミュージシャンの哲学と生き様こそが、ジャズの本質だと思います。そんなことを考えながら、自分自身の今日という悔いのない瞬間を切り取ることができるよう、全身全霊をかけて演奏したいと思いますので、是非ご期待くださいね!

いよいよ(その3)来年は50歳、この話題には何度か触れましたが、やはり目の前に迫ってくると気にしないわけにはいきません。体力のこと、健康のこと、生活のこと、音楽との関わり方、音楽の方向性などなど、気になることだらけです。
最近思うのですが、いままでは、昨日より今日、今日より明日のほうが良くなっていなければならないというような、右肩上がり思考に占領されていたような気がするのですが、この歳になると、昨日と同じであることが、つまり現状維持できるということそのものが、実は進歩ではないかなということです。特に音楽に関する技術的なことや肉体的なことを考えると、本当にそのことを強く思います。マラソンやビリーを、日課のように続けていると、昨日と同じように走れること、前回と同じようにゴムつきダンベルを挙げることができるということが、結構大変なことであることが分かります。この歳になると、肉体って一日一日落ちていってるんですよね。厳しい現実ですが、これは受けいれるしかありません。音楽も同じで、昨日できたことが今日はできなくなっているなんてことを(まあ、一日でそんな極端な変化はありませんが、年単位ではあります)感じることがあります。
「あれ~、このフレーズ、昔は弾けたのになぁ...」ってな感じです。その時はそれが悔しくて、弾けるようになるまでそのフレーズを必死で練習するのですが、たとえ弾けるようになっても、それはやっと以前に戻っただけですからね。
そうやって、これまた落ちていくのかなぁ、なんて落ち込んだりします。
もちろんその代わりに、味や深みや哀愁やわび・さびといった、年数を重ねないと得ることができないものも得ているはずではあるのですが。
それに最近You Tube 等をみていても、特に海外のベーシストのレベルの上昇具合は、もう信じられないものがあります。ギタリストもビックリなんてフレーズを、平気で弾きこなすようなベーシストがゴロゴロいますからね。ジャコの演奏が、もうちっとも速くないって感じです。もちろんあのジャコのぞくっとするようなサウンドや間を出せるベーシストはほとんどいませんが。
まあ、そんなことで、さてこの時代に、自分自身はどんなサウンドを出していけばいいのかなんてこと、あるいは納浩一というベーシストの存在意義って、なんてことを改めて考えさせられている毎日です。まあ、僕は僕でいいんでしょうが。この歳になっても、悩みは尽きないものですね。

いよいよ(その4)、W杯の組み分けが決まりました。日本はオランダ、カメルーン、デンマークと同じ組です。まあ、北朝鮮の組で無くて良かったなってとこでしょうか。こうやって対戦国が決まると、かなり実感がわいてきて、「ああ、いよいよW杯の年が来たなぁ。そろそろ飛行機と宿を取らなくっちゃ。」って、こちらも興奮が徐々にわき上がってきます。98年フランスも06年ドイツも、予選の戦い方は惨憺たるものでした。今回はなんとしても、世界をアッと驚かせて欲しいものですね。

そんなことで、いろいろ「いよいよ」がありましたが、結論から言うと、何も変わったことをする必要はないってことだと思います。昨日と同じように今日を迎え、今日をしっかり乗り切り明日を迎える。その連続こそが大事なのかなって思います。イチローもいってます、「地道な一歩一歩のさきにしか偉業はない」と。
3連覇した鹿島の実力も、とにかくしっかりした基礎的なことを愚直に繰り返すことによって生まれているということのようです。
ぼくもそんなことを踏まえつつ、来年もしっかり生きていきたいなぁと思う今日この頃です。
皆さんも、とにかく健康だけには気をつけて、お元気で、いい年をひとつ重ねてくださいね。

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!