この世にはいわゆる「似て非なるもの」というのがたくさんあると思います。
例えばトンビとタカとか、あるいは冷やし中華と冷麺とか?
ということで今回の投稿は、そんな似て非なるものを2つくらい、どこがどう違うのか、僕なりの意見に書いてみたいと思います。

それは「恋と愛」、そして「リズムとグルーブ」です。
皆さん、それぞれの意見もあるでしょうし、「そんなもん、一緒や!」って意見もあるでしょうね。
でも少なくともミュージシャンにとっては、後者は実に重要な問題であり、またこういった抽象的な概念を、しっかりと言葉に置き換えて説明することで、一歩、その理解が深まると思うんですね。

なぜこんなことを書くかというと、もちろんリズムとグルーブに関しては、レッスンやクリニックで、多くの生徒さんや受講された方から、それに関する質問を受けるので、自分の中でそれらがそれぞれどういうものなのか、そしてどう一緒で、また何が違うのかをきっちりと説明ができるようにしたいということがあります。

で、恋と愛に関しては、先日テレビを見てたら、こんな面白い説明を耳にして、「ほぉー、なるほどな。」と、妙に腑に落ちたからです。それは、
「恋と愛ってどう違うの?」という質問に対して、ある方曰く、
「恋とは、相手の良いところだけ見えている状態。愛とは相手の嫌なところも受け入れられる状態。」

いかがですか? なかなか説得力、ありません?

これ、ミュージシャンに当てはめると、例えばアマチュアは音楽と恋してるけど、プロは音楽と愛してる、そんな風にも言えるかもしれません。
まあ、僕ももう何十年もプロのミュージシャンをやっていると、「あー、こんな風には音楽とは関わりたくないなぁ…」なんて悲しくなる時も、正直言って何度もありました。

でもプロである以上、言い換えればお客さんからお金をもらって演奏している以上、「やーめた!」ってな訳にはいきませんし、当たり前ですが、そんな時でももちろん最高の演奏をしようともがいている訳です。
これって愛じゃないかなぁ?
恋は覚めたら、「はいバイバイ!」でも良いですが、愛はそういう訳にはいかないってところでしょうか?

さてでは我々ミュージシャンにとってとても大事なリズムとグルーブの違いについて。
めちゃくちゃ大雑把な言い方をすれば、僕はリズムとは数の話であり、グルーブとは文化の話だと思ってます。
もう少し詳しく言うと、リズムとはある一定のパルスを出している状態のことをいうとでもいいましょうか。
例えば、時計はテンポ=60のリズムを出しているということですね。
だから「リズム感が良い」というのは、決められた一定のパルスをキープする力があるということです。またリズムトレーニングというのは、そういった能力を鍛える練習ですね。

一方グルーブというのは文化、すなわち、ある集団が共有する価値感かと思います。
だから、例えば最初に演奏を始めたテンポから遅れたり、あるいは速くなったとしても、それがそのアンサンブルに参加しているメンバー全員の共通の理解の上でそうなっているのであれば、それはそれで良し、そのアンサンブルはグルーブしていると言えると思います。

(まあ、これ以上は長くなりますので、ここでは書きません。もしもっと詳しくと思われる方は、まもなく僕のFB上で始まるクリニック講座の方で!)

よく質問で、「なんか、一緒にやっているドラマーと合いません。遅れるって言われます。でも彼が走ってるように思うんです。」とか、「バンドのギタリスト、溜まり過ぎていて、もたっているように思うんです。僕はジャストで弾きたいんです!」というような質問や悩みを耳にします。

もちろん大前提は、まずは「みんながしっかりしたリズム感を身につける!」ですが、もしそれが仮に出来ているとするならば、問題はメンバー間の価値観の共有が出来ていないということかと思います。

例えばマイルスの60年代の黄金のクインテットは、全員で、ありえないほど走ってます!
あるいは黒人たちのディープなブルースバンドなんかはめっちゃもたってたりします!
走るのがいいのかもたるのがいいのか、はたまたジャストがいいのかレイドバックがいいのかは、そのそれぞれが良くて、逆にそうでないのか悪いというのではなく、そのアンサンブルがどういった共通の価値観を共有しているかで決まると思います。

いかがですか?
ま、でも仲間と合わないというような時も、やっぱり大事なことは、愛じゃないですかねぇ?
「お前とは合わないからやーめた!」が恋なら、「何があってもいいバンドにしようぜ!そのためには喧々諤々の議論も厭わない!」という姿勢こそが愛かもしれませんね。そしてそんなバンドはグルーブしてるんじゃないでしょうか?

みなさんも恋と愛の違いや、「リズムとグルーブってなに? 違うの、一緒なの?」みたいなことを考察してみると面白いかもしれませんね。
そして彼氏・彼女や、バンドメンバーとの揉め事も、愛で乗り切ってください!

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