先週末、富士山の麓、河口湖にあるステラシアターというホールで、森山良子さんの「野外協奏曲」というイベントで演奏してきました。
ゲストには、もうポップス界の大御所と言っても過言ではないでしょう、パワー溢れる歌声をきかせてくれた渡辺美里さんと、心に染み渡るような歌声と歌唱力で歌い上げた畠山美由紀さん。お二人とも本当に素晴らしいアーティステです。伴奏させてもらって、本当に楽しいひとときでした。
最後には、そのお二人に良子さんを加えての、日本版ドリームガールズによるシュープリームス・メドレー。若い頃に聞き馴染んだ名曲の数々のオンパレード。ベースを弾いていて本当にワクワクドキドキしてしまいました。こういうソウルフルな曲を、また野外で、しかも素晴らしいボーカリストと共に演奏するというのは、なかなか無いことです。そんなことで、僕もそんなご機嫌な気分になってしまいました。
良子さんが、「今日一回きりで終わりにするの、もったいないよね! また機会を作ってやりたいよね!」って、ステージ上でおっしゃってたの、まさに同感です! また是非この企画、やってみたいなぁっておもわせるような、素晴らしいステージでした。

でもジャズとはまた違って、ポップスの演奏っていうのも奥が深いですよね。皆さんはそのあたり、どう感じておられますか? 同じ音楽だから同じだろうって思われていますか? もちろんジャズとクラシックほどの違いはないでしょうが。実は相当違うんですよね。特にリズムセクションにとっては、その役割や考え方、アプローチ法が相当違います。ジャズは、その瞬間瞬間、何が起こるか分からないような状況に対して、最も的確に反応するにはどういう音を出すべきかというようなことを瞬時に判断して対応していくという、即興性が命です。一方ポップスは、それこそ何度も何度もリハーサルして、いつも同じかつ最高の、ノリ・フレーズ・サウンド等を出せるように練り上げていくというような、エンターテインメントとしての予定調和こそが命です。この相反することを高いレベルで両立させるのって、実はなかなか大変なんですよね。ポップスばかりやっていて、ひさしぶりにジャズに戻ったとき、やはり瞬間の反応力が落ちていたりします。逆にジャズばかりが続くと、同じことをステディにキープするというポップスの基本を忘れがちになってしまって、ついアドリブ的な演奏をして、本来キープされるべき流れを乱してしまったりします。
そういったことがあるので、日本ではどちらかというと、ポップス系のミュージシャンはポップスばかり、ジャズ系のミュージシャンはジャズばかりという棲み分けができてしまい、なかなか双方向に行き来しにくい状況があります。まあ、それは、それだけ、そのどちらもを、うまくバランスをとって演奏することの難しさの表れだと思います。
僕はもちろんジャズも好きですが、ポップスも好きです。できればどちらのフィールドにも接していたいと思います。
そんなことで、今回のコンサート、渡辺美里さんや畠山美由紀さんといった方々と共演して、あらためてポップスのおもしろさ、そして難しさに触れたような気がします。
おっと、「良子さんもポップスじゃないの?」って? その通りなんですが、良子さんのマインドって、めっちゃジャズで、その瞬間のハプニングをとっても喜んでくれるようなところがあるので、つい僕も、「こっちの方が今日の気分」なんてことで、いつもと違ったことをやったりしてしまいます。これってポップスでは結構御法度なんですが、良子さん自身は喜んでくれたりするので、やっちゃうんですよね。これってどうなんでしょうね? 

ということで、ジャズを演奏しているときの僕と、ポップスを演奏しているときの僕がどう違うのか、あるいは同じなのか、その演奏を聴く立場からの感想などもまた教えていただけると嬉しいです。

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45年のベース歴、30数年のプロ活動
日々国内外、第一線で活動中のベーシスト納浩一によるオンラインサロン

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